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リクルート流リーンスタートアップ開発が実践できる「Leantone」とは?

Lifehack

業務プロセスやワークスタイルの改革・利便化を図るサービスを続々とリリースしているリクルートキャリア。これらの新規事業・サービスを生み出すための仕組み作りも同時に整備している。それがサイボウズの「kintone」をリクルート流にカスタマイズして開発したリーン開発支援システム「Leantone(リーントーン)」だ。その開発を担当した鈴木善貴さんと、同部署の水澤貴さんに話を聞いた。

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ビジネス開発手法リーンスタートアップを「Leantone」で実践

「リクナビ」や「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」という人材サービス事業を主力に展開してきたリクルートキャリアでは、近年、新事業・新サービスの創出に積極的に取り組んでいる。すでに過去の記事でも紹介した「ドコイク?キャリア」や「Boarding」「MGRパーク」なども、この「Leantone」を利用して生まれたサービスだ。

f:id:carraria:20160317165343j:plain▲リクルートキャリアがツール化したリーン開発支援システム「Leantone」案件一覧ページ例

「Leantone」とは、昨今、注目のビジネス開発手法「リーンスタートアップ」を組織に定着させ、実践するためのツールである。新しい事業やサービスを生み出す際、最も無駄なことは作り手の思い込みによって市場や顧客にとって価値のないものを作ってしまうこと。リーンスタートアップという方法論を使えば、仮説に基づいて検証し、修正や改良を繰り返す。こうすることで、そのアイデアが有望か否かを早期に見極めることができる。

従来、リクルートキャリアではウォーターフォール型での開発を行ってきた。だが、同部署ではリーンスタートアップを採用し、新規事業・サービスの開発に取り組んでいる。
「企業としてガチガチに考えた上で、開発に取り組んでいました。だから市場に投下した後、修正しようとすると、非常に大きな時間と労力がかかってしまっていたんです。そこでリーンスタートアップを採用することにしました。この手法を採用することで、本当に顧客に刺さるサービスとして磨いていくことができますからね」

f:id:carraria:20160317165340j:plain▲株式会社リクルートキャリア 次世代プラットフォーム統括部「Leantone」開発担当者の鈴木善貴さん

だが、リーンスタートアップを導入したところで、新たな課題が持ち上がってきた。
「一つは一人ひとりが持っているアイデアをメンバー全員で共有したいと思ったんです。アイデアは人に見てもらって磨かれていきます。そういう環境を作りたかった。第二に、リーンキャンバスに書かれる項目の粒度を揃えたかったこと。顧客への価値や成果、コスト構造、必要なリソースなどという項目をリーンキャンバスに書いていくのですが、その深さや粒度が人によって異なっていたんです。そこで質問に答えていけばその内容がリーンキャンバスに反映されるツールを作ろうと考えました。そこで生まれたのが『Leantone』です」

サイボウズの「kintone」をベースにカスタマイズ

「Leantone」はサイボウズが提供している「kintone」というアプリを自由に作れるクラウドサービスをカスタマイズして開発したアプリだ。同アプリのベースに「kintone」を採用した経緯について、鈴木さんは次のように語る。

「一番、魅力的だったのはコメント機能です。リーンキャンバスを見て一つひとつの案件にコメントを書き、それに答えたりすることができるので、時間をかけずにブラッシュアップができる。また、マルチデバイスに対応しているのも採用の理由です。スマートフォンでも使えるので、例えば電車の中でコメントを書いたり、またアイデアが思いついたら書き込んだりできます。いつでも、どこでも、手軽に使えるのがいいところです」

f:id:carraria:20160317165344j:plain▲Leantoneリーンキャンバス 案件に対してコメントすることができる

「Leantone」は先述のとおり、質問に答えていくことでリーンキャンバスが作成できる。そしてこの質問こそ、「Leantone」の第一の肝。そして第二の肝が、そのアイデアを検証・評価していく仕組みである。AppSocially高橋氏とRecruit MTL石山氏が共同開発したフレームであるMVPキャンバスを活用し、「AARRRモデル」の5つのステージを達成する基準軸を設けた。この2点は鈴木さんが「Leantone」開発で最も苦労したところでもある。

  • Acquisition(アクイジション:ユーザー獲得)
  • Activation(アクティベーション:ユーザー体験の最大化)
  • Retention(リテンション:ユーザーの再訪、リピート利用)
  • Referral(リファラル:ユーザー自身が別のユーザーに利用を促す)
  • Revenue(レベニュー:収益化)

「どのような質問であれば粒度を揃えられるのか、そしてそのアイデアが事業化に結びつけることができるのかという評価基準作りに注力をしました。ここにリクルートならではの新事業・新サービス開発のノウハウがつまっています」

「Leantone」の導入のメリットは、開発時の課題を解決しただけではない。たとえ自分の考えた案件が検討中止となったとしても、なぜそれが中止に至ったのかその背景がすべて情報として蓄積され、共有化されるところ。

f:id:carraria:20160317165345j:plain「自分が発想した案件が過去に中止となっていないかを確かめることができるので、無駄を省けます。とにかく管理ツールは普通、新たに導入されると面倒臭いので使いたくないというのがユーザーの本音だと思うのですが、『Leantone』は業務が便利になるのでむしろどんどん使いたくなる不思議なツールなんです」と、メンバーの水澤貴さんは「Leantone」導入のメリットを語る。

f:id:carraria:20160317165341j:plain▲株式会社リクルートキャリア 次世代プラットフォーム統括部 水澤貴さん

ツール化については「カクシン」で近日公開

現在、「Leantone」はリクルートキャリアの次世代プラットフォーム統括部のみで使われているが、以前紹介した「カクシン」で近日公開される予定だ。「導入クライアントを募集し、事業を生み出すための汎用性のあるツールにしていきたい」と鈴木さんは意気込みを語る。

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また水澤さんも「リーンスタートアップのツールはいくつかあります。これらとの違いは先の話にも出ましたが、評価基準などリクルート流のエッセンスが入っているところです。このようなツールを導入すると、新規事業やサービスの開発のルールが統一されるのがいいですね。大きな企業だとどうしても声の大きな人が勝ったりなど、サービスの内容や価値とは違うところで基準が設けられたりしがちです。そういうことがなくなり、公平な競争ができるようになる。ぜひ、公開したらいろんな会社で使ってもらいたいですね」と、「Leantone」の良さをアピール。

もちろんツールを導入すればリーンスタートアップによる新規事業開発が進められるわけではない。
「企業が本当にリーン開発を進めていくんだという強い意志を持っているかどうかがこのツールの活用を進めるカギを握ります。企業トップとコンセンサスを取れる環境をいかに構築するか、そこも重要なポイントです」(鈴木さん)

新規事業・サービスの開発は、いずれの企業にとっても不可欠のもの。ぜひ、公開された際には、経営層とコンセンサスをとり、リクルート流のノウハウが詰まった「Leantone」で新規事業・サービスの開発に取り組んでみてはいかがだろうか。

●関連リンク●

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