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人と仕事をつなぐ理想のしくみを求めてーー10年以上の時が積み重ねられた“ゆるやかなイノベーション”

Interview

2012年、株式会社リクルートのHRカンパニーと株式会社リクルートエージェントの統合によって誕生した株式会社リクルートキャリア。「人で、世界一になる」ことを目指し、これから創られていくこの場所では、社員一人ひとりが主人公です。今回は、「リクナビNEXT」の編集長として人材業界のイノベーションに挑む、細野真悟のストーリーをお届けします。(※本記事は2016年3月時点に掲載されています)

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老舗着物店の跡取り息子、マーケティングとITに目覚める

人は誰しも、自分の人生を歩んでいくなかで、いくつものライフイベントに出会い、それを節目にあらゆる種類の“大きな意思決定”を重ねていくものです。一生に幾度もない選択をするために、さまざまな情報を目の前に並べながら。

東京・町田市にある、創業120年を迎える老舗の着物屋。その店頭で日々繰り広げられていた光景もそのひとつでした。人生の大切な日のために、高価な着物を求める人たち。しかしその店の長男として生まれた細野真悟は、幼い頃から両親が商売をする姿を間近で見て、小さな疑問を抱いていたのです。

「正直なところ、子どものときは実家の商売がイヤだったんです。父と母が来店するお客さんの話を延々と聞き、ときどきお客さんにお世辞を言ったりしながら、着物を売っている……それを見て一体これは何なんだ、うちは何のビジネスをしている場所なんだ、とモヤモヤしていました」(細野)

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もちろん販売しているのは着物に違いありませんでしたが、細野は両親とお客さんとの関係性を不可解に感じていたのだといいます。心の内にあるそのモヤモヤの正体を知りたくて、大学ではマーケティングを専攻することに。そこで彼は、両親が店頭で毎日繰り返していたのが、何よりも身近な、顧客に寄り添う形のマーケティングであったことを知りました。

ちょうどその当時、欧米から「One to Oneマーケティング」「リレーションシップマーケティング」などの概念が入ってきていました。顧客との関係性を深めることで、“売りつける”のではなく自然に“買ってもらう”という考え方です。

「究極の“One to One”って、例えば日本の古き良き酒屋の象徴である『三河屋さん』的なビジネスモデルなんですよね。それを圧倒的なテクノロジーで展開しようとしていたのがAmazonで。僕は『三河屋さん』である家業を、そのまま継ぐのではなく、どちらかといえばAmazonのような、ITテクノロジーを使った現代版のOne to Oneサービスで、人の選択支援をやりたいと思うようになったんです」(細野)

ITによる、人の選択支援。細野はここから、長い道のりとなる一歩を踏み出しました。

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学生たちの安易な「意思決定」に呆然ーー自分が納得して選択できるしくみとは

One to One のITテクノロジーに加え、もう一つ細野が興味を持っていたのが教育・人材分野でした。

「仕事はすごく難しくて、その選択が正しいかどうかの判断もできないし、選ぶ基準も人によってまちまちです。そこに寄り添うのが究極の『選択支援』だと思ったんですよね」(細野)

就職活動の時期を迎え、細野は教育・人材分野と、ITテクノロジーを融合していたリクルートに興味を持ちはじめます。同社は当時、人が直面するありとあらゆるライフイベントを網羅して、そこで発生する意思決定に寄り添おうとしていました。

しかし……並々ならぬ熱意を持ってリクルートの採用試験に挑んだものの、残念ながら不採用に。彼は社会人としての第一歩を、とある専門学校の職員として踏み出すことになります。

専門学校で細野に課されたミッションは、全国各地から生徒を集めること。地方を回り、高校生に向けた説明会をするのが彼の主な仕事でした。しかしこの経験を通じ、かえってリクルートに入社するための動機がより明確になっていったといいます。

「学校説明会では、いくつもの学校が集まる会場で、高校生たちが僕のところに立ち寄るわけですよ。でも少し説明をしただけで、ろくに他校すら見ずに、その子たちが『じゃあここにします』と簡単に意思決定していく。それが目の前で次々に起きていくのを目の当たりにして、すごく怖くなったんです。学生時代に何を学ぶかによって、将来どう働いていくかがある程度決まってしまうのに……だからちゃんと全部の可能性を見て、自分自身で納得できる選択をしてほしい。それを支援できる立場になりたいと心底思いました」(細野)

さまざまな選択肢をフラットな状態で並べ、それらを全て比較したうえで、個人が意思決定できる場所。細野はそうした環境の必要性を痛感するとともに、まさにそのしくみを作っているのがリクルートであることに気づいたのです。

決意をより確固たるものにし、細野は再度リクルートの門を叩きました。そして2000年、ようやく念願の社員となり、「リクナビNEXT」の仕事を手がけることに。しかしそれから10年余りの年月をその部署で過ごすことになるとは、細野本人も思っていなかったようです。

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何よりも難しい「人」と「仕事」をつなぐしくみを追求するために

細野は「リクナビNEXT」に配属されて以降、システム開発からウェブサイト運用、営業・販促支援、サービス自体のブランディングや商品企画まで、ありとあらゆる仕事に携わってきました。

「僕は、何も最初からリクナビNEXTに居続けることに固執していたわけではありません。ただ仕事をしているうちに、商品の裏側の部分、問題点がいやでも目に入ってくるようになるんですよね。お客様にクレームを言われたり、それに対して謝るしかない営業の仲間の姿を見続けるうちに、自分の中に当事者意識が芽生え、商品が自分の子どものように思えるようになってきて……。次第に『これを改善するまでは、異動なんてあり得ない』と自然と考えるようになりました」(細野)

折に触れて「他部署に異動するくらいなら辞める」と明言し続けてきたという細野が「リクナビNEXT」にこだわるようになった理由。その裏には、このサービス、そして人材業界全体を長い時間かけて見続けてきたからこそ、抱くようになった強い想いがあったのです。

すでに業界内ではNo1の規模で運営されていた「リクナビNEXT」。しかし自分たちが提供しているこの商品は、本当に人と仕事を結ぶしくみとして十分なのか。もっともっと、ポテンシャルを引き出せるのではないか。

「僕は『リクナビNEXT』も含め、世の中にはまだ本当の意味で『人』と『仕事』をつなぐしくみがないと思っているんです。だからいつからか、この社会でまだ誰も実現していないしくみを、自分たちが作るんだという使命感を感じるようになりました」(細野)

商品の問題点や今の商品では解決できないご要望との戦いの日々。気づけばいつしか10年近い月日が流れていました。多くの社員が数年スパンで異動を重ねるリクルート、そしてリクルートキャリアの中で、これだけ長い間同一の部署に居続けるのは「異例のキャリア」。細野はいつの間にか“Mr.リクナビNEXT”と呼ばれるまでの存在になっていました。

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自社の向かう角度が“2度”変われば、波紋が広がるように社会が変わっていく

2015年4月、細野は「リクナビNEXT」 の編集長として、自ら陣頭指揮をとりはじめました。そして今、虎視眈々と人材業界でイノベーションを起こすチャンスをうかがっています。長年共にしてきたこの商品を、さらに飛躍させ、求職者と企業に寄り添うために。

「『リクナビNEXT』は、すでに売上があり、過去の実績もあり、運営に携わっている人も大勢います。だから慣性の法則のように、大きなトルネードになって一定の方向に進んでいる状態なんですよね。でも、例えばその角度を“2度”ほど変えることができたら、中長期では行き先が大きく変わることになります。そして“2度”くらいだったら、2〜3年かければ変えられると思うんですよ。巨大トルネードの進む方向が“2度”変われば、今商品を使ってくれている何百万人の求職者や何千社の企業が変わり、そして世の中の常識も大きく変化するはずです。その重たい(笑)ハンドルを、自分が今握りしめていると思うと、とんでもなくワクワクしますよね」(細野)

既存事業にイノベーションを起こすこと。それは、全力で改善してきた既存のしくみ、運営実績や多大なリソースを最大限に生かすことができてはじめて、実現可能となるのです。

そして約10年もの長きにわたり、「リクナビNEXT」のことを真剣に考え続けてきた細野は、そのイノベーションが現実になることを確信しています。

その原体験となった出来事は、細野が「リクナビNEXT」の商品企画を担当していたときのこと。営業とともにクライアントに訪問した際に、機能が使いづらいとクレームを受けて何も言い返せない営業がいたそうです。さらに別の営業は、「こっちの方が使いやすいから」と別の転職サービスを使って転職活動をする始末。

最悪だ。なんてものを売らせているんだ……細野は、「自社の社員が使いたいと思えるサービス」にリニューアルすることを決意。全国の営業マンにヒアリングを重ね、考え抜いた末にたどり着いたのは、ある機能の追加でした。しかし当時の役員は「売上が上がるわけじゃないから、投資対象ではない」と判断したのです。

それでも諦めない細野は、再びヒアリングをはじめて横浜の営業チーフを訪れます。こういう機能を作ろうと思っている、役に立つのではないかと…。しかし、その営業チーフから返ってきたのは、「細野さん、もういいです。帰ってください」という意外な答えでした。

「これだけ『リクナビNEXT』のことを考え抜いてくれている人がいる。それがわかったから、もうその機能はなくても絶対売れるっていうんです。そのとき、これが“本質”だなって思いました。『うちの商品企画はどこよりも考え抜いている』その自信と勇気を営業マンに持ってもらうことが、最大の販促なんじゃないかと。すごい経験をしましたね」(細野)

その後、その営業チーフや他の営業マンが送ってくれた激励メールのプリントアウトと、新機能を追加した場合の“掲載社数×営業マンの人数×単価”を計算した投資決裁資料を、役員に提出。「これだけ現場がほしいといってる機能を開発できない会社だったら、もう辞めます」という言葉も添えて…。

こうした捨て身の訴えもあって、ついに投資決裁が承認されます。細野がリニューアルを発案してから、2年もの歳月が流れていました。全身全霊を尽くして、巨大トルネードの進行方向を“2度”変える。この感覚を、細野は何よりも大切にしています。

「すぐに結果が出ないと焦る人もいますが、そんなことを考えても仕方ない。目に見える成果がすぐにほしいならベンチャー企業に入ればいいんです。でも本当に、大きく社会のしくみを変えたいと思っているなら、大きな事業の方向性をほんの“2度”変えるチャレンジをしてほしい。僕はその“2度”が、どれだけ大変なことで、どれだけ大きなイノベーションを起こせるのか身を持って体験しました」(細野)

子どもの頃に感じていた小さな疑問。それがいつしか大きな使命感となり、ゆるやかながら、確実なイノベーションを起こす……それを必ず実現するために、細野の粘り強いチャレンジは、まだまだ終わりません。

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(TEXT by PRTable