「自分らしく働ける会社を選ぶための支援をしたい」——原点は自分の人生を変えてくれた1枚のポスター

「学生の皆さんが自分らしく働ける会社を選んでもらいたい」。そう語るのは、2012年4月から新卒採用支援事業『リクナビ』のリクルーティングアドバイザー(以下RA)として働く中村えり。IT業界から小売・サービス業界など様々な分野の新卒採用支援に取り組む彼女には、自身の就職活動での苦い経験がありました。そこから導き出されたのは、「学生と企業との架け橋に自分がなる」という決意、そして「人は何度でも必ずやり直せる」という信念。彼女の言葉から、新卒採用の現場に迫ります。

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中村えり(なかむら えり)

教育系広告会社に新卒入社し営業として5年間勤務。その後、「自身の経験を活かして学生の就職活動を支援したい」という想いから、2012年株式会社リクルートキャリアに入社。日々、目の前のお客様の採用成功に向き合い続けている。

 

「自分と合わなかった」入社1年目の苦い経験

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今でこそ、企業に対して新卒採用支援を行っている私ですが、実は自分自身の学生時代の就職活動の進め方には悔いが残っています。高校生のころから「誰かの人生を変えるような仕事がしたい」と漠然と考えていました。振り返ると、そう考えるようになったきっかけは、自分自身のある実体験にありました。

高校生の当時、私は水泳部で厳しい練習に励んでいたのですが、背中を痛めてしまったのです。でもこのケガが治ったら、また部活に戻らなきゃいけない…今の状況から抜け出したい、もう学校すら辞めてしまいたい、と思うほど毎日鬱々としていました。そんな時に目にしたのが、1枚の留学支援団体のポスター。外国人と日本人の高校生が笑顔で並んでいるポスターが、私の人生を変える広告となったのです。

「こんな楽しそうに高校生活を送る人もいるんだ」と思った途端、「自分も今の生活を離れて、どうしてもそうなりたい!」と考え、それからは何かに導かれるかのように、親を説得して、一年間休学して、アメリカの西海岸へ留学に踏み切りました。留学は自分の視野を広げ、価値観を変えてくれた素晴らしい経験となりましたが、自分がしたこんな経験を、今度は誰かに提供する立場になりたいと思うようになったのです。「広告は人の人生を変えられる」、そう信じて新卒で入社したのは、教育系の広告会社でした。

しかし、実際に就職してみると、自分の思いと目の前の仕事とのギャップが大きくて、辛いと感じることばかり。「こんなはずじゃなかった」、「全然自分のやりたいことに合っていない」という思いばかりが浮かんでしまい…。具体的に自分がどんな仕事をするのか、というところまでしっかりとイメージできていないまま選択をしてしまったことに加え、水泳部の時に逃げてしまったという罪悪感も伴い、ネガティブスパイラルから抜け出せなくなってしまったのです。結果的には、周りの先輩やお客様にも支えられながら、やるべき仕事に向き合ったことで、入社2年目以降は仕事の楽しさを感じながら働くことができましたが、成果を出し、売上げにも貢献できるようになった頃、大学の入学案内を作る機会があり、OBOGに取材する機会がありました。

そこで、感じたのは、高校と大学を繋げるよりも大学と就職先企業を繋げるほうが、元々持っていた想いにより近く、自身のような就職でつまずく学生を減らせるのではないかということ。そして、大学生を支援する仕事につきたいと思うようになったのです。そこから、キャリアカウンセラーの資格を取得した後、リクルートキャリアへ転職しました。

 

自分らしく働くことが、企業の成長にもつながる

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私は現在約25社の企業の新卒採用支援を担当しています。学生の皆さんにはあまり知られていないかもしれないけれど、その分野では優れた技術で定評のある企業、社会貢献への熱い思いを持った経営者がいる企業……どの企業にもそれぞれの良さがある。それをしっかりと学生の皆さんに伝えられるかどうかが、私たちの腕の見せどころです。

企業にとって、採用は事業戦略と密接に関わっています。とあるアパレル企業のお客様の事例では、顧客ニーズの変化によって主幹事業であるアパレル事業の売上高が伸び悩み、M&Aによる事業多角化を推進していました。その中で、飲食事業の拡大を画策するために飲食事業単体で採用活動を行っていたのですが、飲食業界はアルバイトの延長である、と就職先としてのイメージを持っていない学生も多く、人材不足の状態が続いていて、それが原因で戦略に沿った店舗展開ができなかったのです。

そこで、提案したのが関連会社も含めたグループ一括採用です。主幹事業であるアパレル事業は苦戦しているとはいえ、やはり大きなブランド力があり、顧客からの信頼も得ています。堅実に事業に取り組むだけでなく、未来を見据えた成長戦略を取っていることは、企業としての評価にも結びつきます。合わせて採用フローには適性検査(SPI3)を導入していただき、きちんとその企業に合った人材を選ぶことで、より成果につながるような人材育成に取り組んでいただくことになりました。

 RAにとって目の前の目標は、その年の採用目標を達成することであり、新卒採用成功のためのお手伝いをすることですが、ひいては採用を通じて、企業の事業成長を支援することが大きな役割なのです。RAには売上げ目標はありません。本質的にお客様にとって良いことは何か、事業成長するために必要な人材は誰なのか……と突き詰めて考えることができる仕事だと思っています。

 企業がきちんと自社に合った学生を採用できるように支援をすること、それは、学生が自分に合った企業へ出会いやすくすることにも繋がると考えます。事業規模や企業知名度に関わらず、自分に合った企業を見つけて、自分が自分らしく働ける場を選択すること。それは、その人がイキイキと働けることに繋がっていく。学生と企業、そして私たちリクルートキャリアにとってwin-win-winになるような仕事を私は目指していますし、高校生の頃に抱いた想いを大事にしながら働けているのではないかと感じています。

 

どの選択肢を選んでも、きっとやり直せる

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会社選びに必要なのは、自分にとって働く上で大事なことは何か、何が欠かせないのか、それをしっかり考えること。その材料として、リクナビを活用して、自分の価値観と照らし合わせてもらえたらいいなと思っています。

 学生と企業との出会いの手助けをしたい…架け橋になりたい、という想いが、私の心を支えています。私ひとりでできることは限られていますが、リクルートキャリアにいるからこそ、多くの学生に情報を届け、伝えられるし、結果として大きな影響をもたらすことができると思っています。学生が、自分自身の持ち味や強みを活かして、イキイキと前向きに働ける会社を探せること。彼ら、彼女らに見つけてもらえるように、企業の特性や理念、価値観をしっかり伝えられるような採用手法を確立すること。今はしっかりそれに取り組んでいきたいと考えています。

 そして最近、新たな興味も芽生えてきました。それは、働くことから遠ざかってしまっている方々への支援です。初めての就職先で労働環境が合わなかったり、会社や仕事に馴染めなかったりしたことで、働くことから遠ざかってしまっている人たちがいます。私も一社目のとき、いつ「働かない」という選択をしてもおかしくなかったと思いますが、幸いにも周囲の方々に恵まれ、やるべき仕事に向き合う中で自分なりの成長ややりがいを見つけることができました。だからこそ、自分自身に合った会社さえ見つかれば、その方たちももう一度「働く」ということにチャレンジできるのではないかと心から思えているのです。仕事を通してさまざまな企業と接してきましたが、どんな企業にも必ず、イキイキと楽しそうに働いていらっしゃる方がいます。仕事でこそ得られる喜びというものがあると思いますし、それを経験できるような「一歩」を後押ししたいのです。私もそうであったように、どんな選択肢を選んだとしても、誰しもが何度でもやり直せるはずだと思っています。