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大切な人を大切にできる力を身に付けるために——「理想の生き方をデザインし続ける」彼女が選んだ道とは

Interview

「人に優しく、自分に厳しく」。それは多くの人が目標に掲げていても、たやすくはないこと。人としての成長を望んだとき、必要になってくるのはあえて自分を厳しい環境に置く、心の強さ。そんな考え方は、どうやって生まれたのでしょうか。島村真由美の言葉から、その一端に迫ります。

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島村真由美(しまむら・まゆみ) 

都内の女子大学を卒業後、2008年に新卒で株式会社リクルートキャリア(当時リクルートエージェント)に入社。入社後は営業や企画などを経験し、入社6年目の時に全社トップの営業成績を達成し表彰を受ける。現在は営業部門のユニットリーダーとして、若手の成長を支援する傍ら、プライベートでフード&テーブルコーディネートを学び、レストランやホテルのスタイリングを手掛ける。「大切な人を大切にできる力を身につける」ことが人生の目標。

「これからは女の子も働く時代」―祖父の言葉が原点に。

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「大切な人を大切にできる人になること」。それが私にとっていちばん大事なことです。一度きりの人生、私自身はもちろん、私の周りの人にも豊かな人生を送ってほしいと思っています。そして人生の中で多くの時間を過ごす会社も、自分の願いを叶えられる場所。私にとってはリクルートキャリアがそんな存在です。

幼い頃は父の仕事の都合で全国各地を転々としていました。「転校生」と言うとなんとなく「なかなか友達ができにくい」イメージがありますが、私は行く先々でたくさん友だちに恵まれました。両親には「苦手なことを作らないように」とそろばんや絵画、水泳にスケート、ピアノ、剣道など、毎日2つずつ教室をハシゴするくらいいろんな習い事に通わせてもらったので、仲良くなるきっかけを作りやすかったからなのかもしれません。両親には本当に感謝しています。

けれどもどこかで「これは親によって与えられた環境だ、自分で生きていく力をつけなくては」という思いもありました。しかし、「女の子は苦労なんてするものじゃない」と、親に入学を許されたのは祖母の母校である女子大学だけ。「就職活動もしなくていい」とまで言われる厳格な教育方針の両親のもとで育ちました。

一方で、ずっと心にあったのは、幼い頃から繰り返し言い聞かされてきた祖父の言葉。「これからは女の子も働く時代。学問を身につけ、英語を話せるようになりなさい」。いつからか、それが「なりたい自分」になっていました。そして親の考えに逆行する自分の選択を、「正解」にしたいと考えるようになりました。

「どうしたら相手は喜んでくれるか、気持ちよく動いてくれるか」を考える日々

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女子大に入学してからは、新聞社の学生記者に挑戦したり、イギリスの大学に留学したりしました。帰国してからは学生記者時代の取材先だったベンチャー企業で、社長秘書のアルバイトを始めました。この経験が今の私のベースを作ってくれました。

社長秘書としての業務は、商談や会食への同行、社長宛のメールや取材対応など。社長からの業務指示は特になく、常に自ら3歩先を考える必要がありました。「社長は中華、洋食、和食と続いているから、次の会食はイタリアンを予約しよう」「会食相手は誕生日が近いから、プレゼントを用意しよう」とか……「どうしたら相手がよろこんでくれるだろうか」と想像力を働かせる毎日でした。

秘書として名だたる大企業や勢いに乗るベンチャー企業の社長の方々との会合に同席させていただくと、皆さん口々におっしゃるのは「やりたい事業はあるけれど、任せられる人が見つからない」「いい人材になかなか出会えない」という言葉。やりたいことや資金がどれだけあっても、人がいなければ実行することはできません。そこで私が「人材」をキャリアの柱にすれば、いつか尊敬する彼らの役に立てるかもしれないと考えたんです。

実は当初、マスコミへの就職を志望して、とある出版社から内定をいただいていました。けれども考え抜いた末に辞退しました。また、秘書として勤めていた会社の社長はリクルート出身で、在職中に会社を立ち上げた方。社長からは卒業後はそのまま入社してほしいと誘ってもらっていたのですが、社長が育ったリクルートで私も働きたいという思いが捨てられませんでした。それを話すと、「リクルートに行くならあきらめるよ」と応援してくれたんです。だから私の選択肢は、リクルートしかありませんでした。

そんな思いに至ったのが大学4年生の6月で、当時周りは既に就職活動を終えている人がほとんど。最後の説明会に滑り込んで、選考を経て内々定をいただきました。「あなたが今年最後の内定者だよ。おめでとう」とメッセージ入りのワインをいただいて……うれしすぎてつい泣いてしまったことを、今でも覚えています。

プロとして、ベストを選択し続けることにこだわる

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入社してからはさまざまな部署で経験を積み、課題をひとつひとつクリアしていく日々。中でも印象深いのは、入社6年目のときに全社トップの営業成績を達成できたことです。RPO*1サービスにおいて、18カ月で146名の採用決定を実現し、クライアント企業を大きくスケールアップさせることができました。

先方の会社にデスクを置き、人事として採用活動を行っていくわけですが、それまでは年間で10名程度しか採用したことがなかったのに、経営戦略を実現するために、2年で146名を採用することを求められていました。今までの採用のやり方から大きく変えなくてはならないことは分かっていましたが、いきなり私が入っていって、マネージャークラスの方々に対して「ここを直してください」「新しい方法を取り入れましょう」と大きな変化を求めていかなくてはなりません。

最短距離で最高の結果に辿り着くためには、関係者に気持ちよく働いていただくことがベストだと考え、その実現の為に「何が目標で、何を求めているんだろう」と相手の状況を想像しながら、夢中で取り組みました。学生時代の社長秘書のアルバイト経験をここで生かすことができました。

結果的に、その会社の社員以上に会社に精通し、目標値を前倒しで達成することができました。「あなたがいなければ、今の当社はなかった」と身に余るお言葉と、社長から表彰もいただけて、最高の結果になったと思います。

私、仕事においては「ベター」っていう選択肢がイヤなんです。プロとして、ベストを選択し続けたい。だからこの仕事はどうしたらベストなのか、それをどうやったら効率化できるか、そしてそのベストを周りと共有するには……とひたすら考えた18カ月間でした。

「人材」だけでなく「食」をキャリアの柱に

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趣味は料理。生きることに不可欠な「食」を通じて、毎日を豊かにしたい。

入社以来の目標だった全社トップを達成して、私はいま新たなフェーズにいます。それまでは「お客さまのためにどうすべきか」ということに全力投球していましたが、いまはユニットリーダーとしてメンバーマネジメントに徹しています。メンバーが成長を実感し、「仕事が楽しい」と思える環境を作ることが、私の仕事。

「仕事が楽しい」と思える人をひとりでも多く増やしながら、人の可能性を最大化するという点では、これまでの仕事と通じる部分があると感じています。

一方で、「人材」という柱以外にも大きな柱を持ちたいと考えています。自分自身を事業主として捉えたとき、事業ドメインが「人材」だけでは単一すぎるな、と。

そこで、もともと食べることが好きでしたし、どうせならしっかり料理の勉強をしたくて、フード&テーブルコーディネーターのディプロマ(卒業認定)を2年かけて取得しました。働くことも食べることも、どちらも生きるうえで不可欠なこと。それらをバランスよく磨くことで日々をより充実させられると思っています。

「30分でできるコース料理」のお料理教室を開く準備を進めています。仕事に忙しい人も帰ってから、自分のために美味しい料理を作って、食べる。そういう毎日の過ごし方が、しなやかな体と心を作っていくってことを伝えられたらいいなと思っています。

土日で料理教室をして人材業界とは別のベクトルを伸ばしながら、平日にリクルートで成果を出せば、相乗効果を生むのではないかと思っています。会社を辞めて独立して、料理教室を開くという選択肢もありますが、「リクルートに勤めながら、週末は料理教室」のほうが、関わる人から受ける刺激も多いし、いろんな顔を持てて、きっと楽しい。

理想の生き方は、年を重ねるごとに変化していきます。でも、幼い頃からずっと変わらず、「こう生きていきたい」「こうなりたい」という夢は、具体的であればあるほど叶うと信じているんです。

だからこそ、理想の生き方や、私が大切にしている「大切な人を大切にできる力」を身につけるために、今何ができるか、将来どうありたいかをできるだけ具体的にデザインして、仕事もプライベートも日々楽しんでいます。

目の前の仕事やメンバーに向き合うことを通じて、「仕事が楽しい」と思える人を一人ずつ確実に増やしていきたいです。

*1:RPO=リクルートメント・プロセス・オプティマイゼーション。事業戦略に基づき、採用戦略の立案から、採用手法の選定、採用まで一貫して支援するサービス。詳細はこちら